2026/04/14
歯ぎしり・食いしばりで歯茎が下がる?骨から先に傷む退縮のメカニズム
「いくつかの歯で同時に歯茎が下がっています」というケースは、実は珍しくありません。原因が咬合の問題やブラッシングの癖である場合、特定の部位だけでなく広範囲に退縮が及んでいることが多いためです。
こうした複数歯に退縮がある場合、「どこから治療すべきか」「全部同時にできるのか」という疑問が生まれます。この記事では、治療計画を立てる際の考え方と優先順位のロジックをお伝えします。
複数部位の退縮治療を始める前に必ず行うべきは、退縮を引き起こした原因の特定と除去です。ブラッシング圧の是正、咬合調整、マウスピースの装着、歯周病治療——これらが不完全なまま移植手術を行っても、術後に同じ原因で再退縮するリスクが高まります。
目安として、原因が除去され、退縮の進行が安定(少なくとも3〜6カ月変化なし)してから手術的治療に進むのが基本的な流れです。
ClassⅢ・Ⅳに近い重症部位は、放置するほど回復できる範囲が狭まるため優先度が高くなります。逆に安定したClassⅠは、経過観察を続けながら後回しにできる場合もあります。
前歯部は「歯が長く見える」という審美的問題が大きく、患者様の心理的負担も大きい傾向にあります。また、根面が広く露出している部位は根面う蝕のリスクも高いため、機能的観点からも優先されます。
結合組織移植では、上顎口蓋から組織を採取します。一度に採取できる量には限りがあり、一般的に1回の手術で対応できるのは4〜6歯程度までとされています。移植本数が多い場合は、複数回に分けて手術を計画する必要があります。
多くのケースでは、左右どちらかの側から手術を始め、治癒と経過を確認してからもう一方の側を行う「分割手術」が選択されます。これにより、食事や日常生活への支障を最小限に抑えながら、最初の手術から得られた知見(組織の定着状況など)を次の手術に活かすことができます。
先述のとおり、一度の手術での対応は4〜6歯程度が目安です。ただし患者様の全身状態(血圧、糖尿病のコントロール、服薬など)によってはさらに慎重に判断します。「なるべく早く全部治したい」というご希望はよく理解できますが、組織の採取量や術後管理を考えると、段階的なアプローチが長期的に見ても有利です。
複数箇所の歯肉退縮治療は、重症度・審美への影響・移植量の限界という3軸で優先順位を決め、原因除去を前提に段階的に進めるのが原則です。一見「まとめて全部直してしまいたい」と思われがちですが、計画的な治療こそが長期的な安定につながります。
当医院では治療技術はもちろん、患者さまの心と向き合い診療していくことが大事と考えています。
それは
理事長 菅 良宜の
治療理念
人生を変える歯科治療を通じて患者様の人生を良くしたい
という想いからです。
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症例ブログはこちら
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執筆者
医療法人凌和会すが歯科矯正歯科
理事長 菅 良宜
治療理念
人生を変える歯科治療を通じて患者様の人生を良くしたい
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