2026/04/17
複数の歯茎が下がっている場合、どこから治療する?——治療計画の考え方を解説
「最近歯茎の見た目が変わったが、歯の磨き方は変えていない」——こうした訴えの背景に、服薬による歯肉変化が隠れているケースがあります。薬の副作用で起こる歯肉の変化には、歯茎が増殖して大きくなるタイプと、逆に退縮・萎縮するタイプがあり、それぞれ原因と対応が異なります。
高血圧の治療に使われるカルシウム拮抗薬(特にニフェジピン、アムロジピン等)は、歯茎の線維芽細胞を過剰に活性化させることで歯肉増殖症を引き起こすことがあります。歯茎が膨らんで歯冠を覆うように増殖し、見た目として「歯が短くなった・埋まってきた」と感じることがあります。
重要なのは、これは退縮(歯茎が下がる)とは逆の変化ですが、増殖した歯肉の下でプラークが蓄積しやすくなり、最終的に歯周病→歯肉退縮へと進展するリスクがあることです。
フェニトインも歯肉増殖を引き起こすことが知られており、特に若年者での影響が顕著とされています。
臓器移植後に使用されるシクロスポリンは、カルシウム拮抗薬と同様の機序で歯肉増殖を起こすことがあります。移植後の患者様が歯科を受診される際には、必ず服薬情報をお伝えください。
女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)の変動は歯肉の血管透過性を高め、炎症を起こしやすい環境を作ります。長期服用中は歯周炎が進行しやすく、結果として退縮につながるケースがあります。
これらは直接的に退縮を引き起こすわけではありませんが、歯科治療時の出血コントロールに影響するため、移植手術などを検討している場合は主治医との連携が必要です。
口腔内の粘膜・歯肉へのダメージは治療後に粘膜萎縮・退縮として残ることがあります。特に頭頸部への放射線照射後は、唾液腺機能の低下とあいまって歯周組織が極めて脆弱になります。
薬による歯肉変化のリスクがある場合、セルフケアの精度を上げることが最重要です。具体的には、フロス・歯間ブラシを毎日使用してプラーク蓄積を防ぐこと、歯科でのプロフェッショナルクリーニング頻度を高めること(2〜3カ月ごと)、そして薬剤の変更が可能かどうか主治医と相談することです。
歯茎の変化の原因が「磨き方」だけとは限りません。服薬歴は歯科診察において非常に重要な情報です。お薬手帳を毎回持参し、処方が変わった際は積極的に歯科にも知らせてください。
当医院では治療技術はもちろん、患者さまの心と向き合い診療していくことが大事と考えています。
それは
理事長 菅 良宜の
治療理念
人生を変える歯科治療を通じて患者様の人生を良くしたい
という想いからです。
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症例ブログはこちら
https://www.suga-dent.com/case/gingival/
執筆者
医療法人凌和会すが歯科矯正歯科
理事長 菅 良宜
治療理念
人生を変える歯科治療を通じて患者様の人生を良くしたい
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