2026/07/14
歯を抜かずに救う「最後の砦」— マイクロスコープ根管治療とは何か
「根管治療は何度も通わないといけない」と聞いたことはありませんか? マイクロスコープを使うとその回数はどう変わるのか、ステップを追って見ていきます。
まずレントゲンやCT(歯科用コーンビームCT)で根管の形態を把握します。通常のレントゲンは2Dですが、CTは3Dで確認できるため、「根が何本あるか」「どんな形に曲がっているか」を治療前に把握できます。
根管の数は歯の種類によって異なります。前歯は1本が多く、奥歯になるほど増え、上顎の第一大臼歯(いちばん奥から2番目)は3〜4本あることも。形も人によってさまざまで、途中でY字型に分岐していたり、急カーブを描いていたりします。事前の把握が、治療精度に直結します。
根管治療で最も重要な準備の一つが「ラバーダム」です。薄いゴムのシートを歯に固定し、治療する歯だけを口の中から隔離します。
なぜ必要なのか。根管治療の目的は「無菌化」です。口の中には常に大量の細菌が存在します。ラバーダムなしで治療すると、唾液の細菌が根管内に侵入し、せっかく清掃した根管を汚染してしまいます。マイクロスコープを使っていても、ラバーダムがなければ意味が半減します。
マイクロスコープで根管の入り口を確認しながら、「ファイル」と呼ばれる細い器具で根管を清掃・形成していきます。現在はニッケルチタン製のロータリーファイルが主流で、しなやかに曲がりながら根管内を削ることができます。
マイクロスコープのメリットが特に発揮されるのがこの段階です。根管の入り口付近に石灰化(石のように固まった組織)がある場合、肉眼では見逃してしまうことがあります。しかしマイクロスコープがあれば発見・除去でき、その奥まで治療が届きます。
器具だけでは取り除けない細菌や汚れを、次亜塩素酸ナトリウム(歯科用の消毒液)などの薬液で徹底的に洗い流します。この薬液は根管内の有機物を溶かす性質があり、器具が届かない細い枝管(側枝)の洗浄にも効果があります。
超音波器具と組み合わせることで薬液に微細な振動を加え、根管の隅々まで攪拌して洗浄効果を高める「超音波洗浄」も取り入れられています。
清掃・消毒した根管を、「ガッタパーチャ」と呼ばれるゴム状の素材と歯科用シーラー(接着剤)で隙間なく詰めて封鎖します。ここでもマイクロスコープが役立ちます。充填材が根管の先まで正確に届いているか、気泡や隙間がないかを目で確認しながら行えるからです。
・治療回数の目安
初回感染(初めての根管治療):2〜3回
再根管治療(やり直し):3〜5回以上になることも
※マイクロスコープにより各ステップの精度が上がるため、再治療のリスクを下げられます
根管充填後は、根管に細菌が再侵入しないよう速やかにクラウン(被せ物)で蓋をすることが重要です。「根管治療は成功したのに、被せ物の隙間から細菌が再侵入して再発した」というケースが少なくありません。根管治療の成否は、治療後の補綴(ほてつ)処置にも左右されます。
次回は、「マイクロスコープがなければ発見できなかった」ような難症例を取り上げ、なぜ精密機器が必要なのかをより具体的に解説します。
当医院では治療技術はもちろん、患者さまの心と向き合い診療していくことが大事と考えています。
それは
理事長 菅 良宜
治療理念
人生を変える歯科治療を通じて患者様の人生を良くしたい
という想いからです。
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執筆者
医療法人凌和会すが歯科矯正歯科
理事長 菅 良宜
治療理念
人生を変える歯科治療を通じて患者様の人生を良くしたい
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