根管治療をした歯は「弱い歯」？硬い物を噛むリスク

虫歯が進行して神経（歯髄）にまで感染が広がった場合、歯を残すために「根管治療（こんかんちりょう）」という処置を行うことがあります。根管治療は、歯の根っこにある感染した神経や組織を取り除き、内部を消毒・密封して歯を保存する治療法です。適切に行えば、歯を抜かずに済む大変有効な処置ですが、治療を終えた歯には注意点があります。

それは、「治療後の歯は以前よりも割れやすくなっている」ということです。特に豆類やせんべい、ナッツ類、フランスパンなどの硬い食べ物を無意識に噛むことで、歯にヒビが入ったり、最悪の場合は真っ二つに割れてしまうこともあります。

　

なぜ根管治療後の歯は割れやすくなるのか？

根管治療では、歯の内部の神経や血管を取り除くため、治療後の歯は「栄養供給のない、乾いた状態」になります。例えるなら、木の枝が乾燥してパリパリになったようなものです。そのため、外からの衝撃や噛みしめの圧力に弱くなってしまうのです。

さらに、根管治療が必要になる歯は、もともと虫歯がかなり進行していることが多く、すでに歯の構造そのものが脆くなっています。こうした背景が重なることで、治療後の歯は「中が空洞で、外壁が薄い箱」のような状態になっていることもあります。

硬い食べ物で起こる“歯根破折（しこんはせつ）”とは？

根管治療を終えた歯で硬いものを噛んでしまうと、「歯根破折（しこんはせつ）」というトラブルが起こることがあります。これは歯の根っこの部分にヒビが入り、歯の内部にまで細菌が侵入してしまう現象です。ヒビの場所によっては、外から見てもまったく異常がわからず、しばらくしてから痛みや腫れとして現れることがあります。

歯根破折は治療が難しく、最終的には抜歯に至るケースも少なくありません。せっかく根管治療で残した歯を、また失ってしまうことになるのです。

対策は「噛む力のコントロール」と「補強処置」

根管治療後の歯を長持ちさせるためには、日常生活でのちょっとした注意がとても重要です。

まず、硬い食べ物を避けること。とくに、豆菓子やナッツを前歯や治療済みの歯で無理に噛まないようにしましょう。また、「奥歯に違和感がある」「何か噛んだときに一瞬ピリッとした」などの症状がある場合は、すぐに歯科医院で確認を受けることをおすすめします。

まとめ

根管治療は歯を救うための優れた治療法ですが、その後のケアを怠ると、せっかく残した歯を再び失うリスクが高くなります。硬い物を噛むことは何気ない日常の行動ですが、治療後の歯にとっては命取りになることもあるのです。

「治療して終わり」ではなく、「治療後こそがスタート」。あなたの大切な歯を守るためにも、気になることがあればお気軽に当院までご相談ください。

　

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それは
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