2025/12/08
子どもの歯医者デビューはいつから?後悔しないための通院開始ガイド
歯科医院で歯磨き指導を受けた際に「フロスも使いましょう」と言われた経験がある方は多いと思います。
しかし実際には「歯ブラシできちんと磨いているのに、どうしてフロスまで必要なのか」と疑問を持つ方も少なくありません。
この記事では、デンタルフロスを日々のケアに取り入れるべき理由、正しい使い方、妊娠期に特に重要とされる背景を歯科医の視点でわかりやすくお伝えします。
多くの方が丁寧に歯磨きをされていても、歯ブラシで除去できる歯垢は全体の60〜70%ほど。
残った汚れが集中するのは次の部分です。
・歯と歯が接する狭いすき間
・歯の根元の細いくぼみ
これらは毛先が届きにくいため、歯周病菌や虫歯菌が繁殖しやすい場所になります。
歯間に溜まった歯垢に糖分が加わると、細菌が酸を作り出し、歯を溶かして虫歯へと進行します。
また歯周病の原因菌も歯間部に多く潜んでいるため、歯ブラシだけのケアでは十分に予防できません。
歯ブラシの弱点を補い、口腔内の清潔度を保つためにフロスは不可欠なアイテムです。
妊娠期にはエストロゲンやプロゲステロンが増加し、歯周病菌が増えやすい環境になります。
その結果、歯肉が腫れやすく、出血しやすい状態になりやすいのが特徴です。
炎症が進行して歯周炎になると、体内でプロスタグランジンという物質が増えます。
これは子宮収縮に関与し、早産のリスクを高めると報告されています。
妊娠中にフロスを習慣化することは、母体だけではなく赤ちゃんの健康を守ることにもつながります。
欧米では「Floss or Die(フロスしないと危険だ)」と言われるほど歯間清掃が重視されています。
実際に海外では6割以上の人がフロスを日常的に使用していますが、日本はわずか10〜15%ほど。
虫歯や歯周病が多い理由のひとつは、このフロス習慣の差だと指摘されています。
理想は毎食後ですが、まず習慣化するのであれば就寝前を最優先にしましょう。
寝ている間は唾液量が減るため、細菌が増えやすい環境になります。
寝る前に歯間の汚れを完全に落としておくことが、虫歯や歯周病を防ぐための大きなポイントです。
歯垢を先に浮かせてから歯磨きをすることで、歯ブラシによる汚れの除去率が向上します。
ただし、最も大切なのは順番より「続けること」です。
指先から肘までの距離を目安に約40cmを取り、中指に巻きつけます。
親指と人差し指で2〜3cmの間隔を作って保持します。
左右に小さく動かしながらゆっくり歯間に入れる
片側の歯面に沿わせ、上下に約5回動かす
反対側の歯にも同じ動きを行う
汚れの付いた部分はずらして新しい位置を使う
フロスは基本的に使いきりです。次回は新しいものを使いましょう。
フロスを使ったために歯が動いたり、すき間が広がることはありません。
もし広がったように感じる場合は、腫れていた歯ぐきが引き締まったサインです。
清潔な状態になった結果なので、心配は不要です。
フロスが何度も切れたり引っ掛かる場合は、次のような問題が潜んでいる可能性があります。
・詰め物や被せ物の境目に段差がある
・治療物が合わなくなっている
・虫歯が進行している
これらは細菌がたまりやすく、虫歯の原因にもなります。
気になる場合は早めの受診をおすすめします。
・虫歯や歯周病の発生率が大幅に減る
・歯ぐきが引き締まり、口臭予防にも効果的
・将来的に歯を失うリスクを軽減できる
毎日の小さな習慣が、将来の大きなトラブルを防ぐ確かな予防になります。
デンタルフロスは、
歯ブラシだけでは届かない歯間の汚れを取り除くための欠かせないケアアイテムです。
虫歯予防、歯周病予防、妊娠中の健康維持にも大きな効果があります。
まずは寝る前だけでも構いません。今日から歯間ケアを始めてみましょう。
執筆者:クリニックマネージャー 平野孝彦
医療法人凌和会 すが歯科・矯正歯科
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