なぜ高齢者には八重歯が少ないのか?―時代と噛み合わせの変化から考える

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街中で高齢の方の笑顔を見ると、八重歯が見えることはほとんどありません。
一方、若い世代では八重歯や歯のガタつきが多くみられます。
この違いには、加齢による歯列変化だけでなく、生活環境や食文化、歯科医療の進歩が深く関係しています。

八重歯とはどんな状態?

「八重歯」とは、上の犬歯(糸切り歯)が歯列の外側に飛び出した状態を指します。
歯が生えるためのスペースが不足していると、後から生えてくる犬歯が正しい位置に並びきれず、外側にずれてしまうのです。
これは“叢生(そうせい)”と呼ばれる歯列不正の一種で、単なる見た目の問題ではなく、咬み合わせや清掃性にも影響を及ぼします。

高齢者で八重歯が見られない主な理由

1. 歯の喪失による歯列の変化

年齢を重ねるにつれ、虫歯や歯周病などで歯を失う方が増えます。
1本でも歯を失うと、隣の歯が倒れ込んだり移動したりして、全体の歯列が再構成されます。
その結果、もともと外側に飛び出していた犬歯が自然に内側へ傾いたり、そもそも八重歯の歯自体を失うケースも少なくありません。

2. 歯周病による骨の吸収

高齢者では、歯を支える骨(歯槽骨)が減少することで、歯が動きやすくなります。
長年かけて歯列全体が平坦化し、八重歯のような突出が目立たなくなっていくのです。

3. 咬耗(こうもう)と歯の摩耗

長年の咀嚼で歯の先端がすり減ると、犬歯の尖りが丸くなります。
これにより、若い頃に八重歯だった方でも、年齢とともに形がなだらかになり、目立たなくなっていきます。

昔の日本人はなぜ八重歯が少なかったのか?

昭和の初期までは、玄米・根菜・干物など硬い食事が中心でした。
こうした食文化は顎の筋肉を発達させ、顎骨の幅を広げます。
結果として、歯が生えるためのスペースに余裕があり、八重歯や叢生が少なかったと考えられます。

一方で、現代の食事は柔らかく、噛む回数も減少。
顎が十分に発達しないまま永久歯が生えるため、スペース不足が起こりやすくなっています。
つまり、八重歯は「現代人の顎の退化」が映し出された現象なのです。

子どものうちにできる“予防矯正”という選択

近年、歯科の世界では「小児矯正」という考え方が定着してきました。
これは、大人になってから歯を動かす矯正とは違い、成長期の顎の発達を利用して歯が正しく並ぶスペースをつくる治療です。

特に6〜10歳頃の子どもは、まだ骨が柔らかく、顎の成長をコントロールしやすい時期。
このタイミングで「顎を広げる」「舌や唇の癖を整える」などのアプローチを行うことで、
将来の八重歯や歯列不正を予防することが可能になります。

マウスピース矯正で自然な成長をサポート

従来のワイヤー矯正だけでなく、最近ではマウスピース型の小児矯正装置も注目されています。
たとえば「プレオルソ」などの装置は、
取り外し式で痛みも少なく、夜間中心の使用で顎の成長を誘導します。

これらの装置は歯を直接動かすのではなく、
「口呼吸の改善」や「舌の正しい位置づけ」「姿勢や嚥下のトレーニング」を通じて、
自然な顎の発達を促す“機能的矯正”と呼ばれるアプローチです。

小児期にこうした治療を行うことで、
成人になってからの大掛かりな矯正を避けられる可能性も高まります。

高齢者と若者の“歯並びの差”は、時代の違い

かつては「八重歯がかわいい」と言われた時代もありましたが、
現在では「虫歯になりやすい」「歯周病リスクが高い」「顎関節に負担がかかる」など、
医学的には改善すべき歯並びと考えられています。

高齢者に八重歯が少ないのは、自然な経年変化だけでなく、
抜歯や歯列変化による“結果的な改善”によるところも大きいのです。
しかし、現代の歯科では「抜けて減ったから整った」ではなく、
「成長期から整えて健康に保つ」という発想へと進化しています。

まとめ:八重歯は“時代の鏡”

高齢者に八重歯が少ないのは、
歯の喪失や骨の吸収などの生理的変化に加え、
昔の人の顎の発達や食生活の影響も関係しています。
一方で、現代の子どもたちは顎が小さく、八重歯ができやすい傾向にあります。

しかし、小児矯正やマウスピース矯正を通じて、
自然な発達をサポートすれば、八重歯を「予防する時代」へと変わっていけます。
歯並びは見た目だけでなく、将来の健康にも大きく関わるもの。
お子さんの歯並びが気になる方は、ぜひ早めの相談をおすすめします。

 


 

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執筆者

医療法人凌和会すが歯科矯正歯科

理事長 菅 良宜

治療理念

人生を変える歯科治療を通じて患者様の人生を良くしたい

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