歯石には「白い歯石」と「黒い歯石」があることをご存じですか?

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歯に硬くこびりつく歯石には、実は性質の異なる二種類があります。
歯の表面に見える白っぽい歯石だけでなく、歯茎の中で黒く変色した歯石が付着していることもあります。
黒い歯石は歯周病のサインになることも多く、早めの対処がとても重要です。

歯石とはどんなもの?

歯磨きで落とし切れていない歯垢(プラーク)は、細菌が増殖した柔らかい汚れです。
この歯垢が数日間取り除かれないまま残ると、唾液に含まれるカルシウムやリンと結びついて硬くなり、歯石に変わります。

歯垢は2〜14日ほどで歯石になるといわれています。
歯石そのものは固まった汚れですが、表面がザラついているため歯垢が再び付きやすく、口臭や歯周病を悪化させる引き金になります。

白い歯石と黒い歯石の違い

白い歯石(歯肉縁上歯石)

・歯茎より上の、歯の表面に沈着
・唾液成分が石灰化して白〜黄白色に見える
・比較的取りやすく、スケーリングで除去可能

黒い歯石(歯肉縁下歯石)

・歯茎の下、歯周ポケット内部に形成
・炎症による出血成分が混ざり黒く硬くなる
・強固に付着し、放置すると歯周病が進行
・SRP(スケーリング・ルートプレーニング)が必要

黒い歯石が認められる場合、すでに歯周病が進行しているケースが多く、丁寧な治療と継続的なケアが欠かせません。

歯石は自分で取れる?除去方法と治療の流れ

歯石は家庭での歯磨きでは除去できません。歯科医院で専用の機器を用いて取り除きます。

白い歯石の除去(スケーリング)

超音波スケーラーやハンドスケーラーを使って、歯の表面の歯石を取り除きます。

黒い歯石の除去(SRP)

SRPとは、歯周ポケット内の歯石を取り除き、歯根の表面を滑らかに仕上げる処置です。
深いポケットでは麻酔を使用することもあります。

SRPでも取り切れない場合は「フラップ手術」

歯茎を開いて、目視できる状態で根の深い部分に付いた歯石を確実に除去する外科処置です。
処置後は歯肉を縫合します。

歯石が多いほど治療回数も増え、進行した歯周病では外科的処置が必要になることもあります。早めの受診が大切です。

歯石を作らないための予防習慣

毎日のブラッシングが最優先

歯石になる前の段階、つまり歯垢の状態で取り除くことがもっとも重要です。
歯垢はブラッシングで落とせますが、歯石になった瞬間から自分では除去できません。

定期検診でプロのクリーニングを

毎日の歯磨きではどうしても行き届かない部分があり、その汚れが歯石の原因になります。
歯科医院の定期検診では以下を行います。

・歯と歯茎の健康チェック
・歯垢・歯石のクリーニング
・一人一人に合わせた磨き方の指導
・歯周病の早期発見・早期治療

口臭予防・歯周病予防のためにも、3〜6か月ごとの受診がおすすめです。

まとめ

白い歯石だけでなく黒い歯石が付着している場合、歯周病が進行している可能性が高く、専門的な治療が必要になります。
「最近歯茎が腫れる」「出血しやすい」「口臭が気になる」などの症状は早めにご相談ください。

お口のお悩みがあれば、いつでもお手伝いします。お気軽にご来院ください。

執筆者:院長 森川貴史

医療法人凌和会 すが歯科・矯正歯科

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