根管充填時に用いられるMTAセメントについて

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皆さんこんにちは。大阪府門真市京阪沿線西三荘駅から徒歩2分、門真市・守口市で根管治療・インプラント治療・矯正治療・歯茎移植(歯肉移植)に強い歯医者、

すが歯科矯正歯科大人こどもクリニック守口門真院です。

当医院の理事長 菅 良宜は名門トロント大学の根管治療のプログラムを卒業しております。抜歯の前に歯を残すことを第一に考えています。

 

精密根管治療は、「状態が悪い歯を何とか抜歯せずに自分の歯を残したい。」「これまでの根管治療では難しいケースの根管治療をしたい。」「保険外の被せ物を入れるために、しっかりとした根管治療をして長持ちさせたい。」 などご自身の歯を残す事を第一にお考えの方にお勧めしています。

 

精密根管治療については以前のブログでご紹介しましたが、今回は精密根管治療の最後の段階である根管充填(こんかんじゅうてん)でもちいる”MTAセメント”という材料について説明していこうと思います。

 

MTAセメントを用いた根管充填

根管治療で根っこの中の洗浄が終わり、根っこの中にお薬を詰めていくことを根管充填(こんかんじゅうてん)といいます。お掃除が完了したままお薬を入れずに置いておくと、そのスペースで細菌が繁殖してしまいます。このスペースを埋めて細菌の繁殖を防ぐために根管充填をしていきます。

 一般的な保険内の根管充填では、”ガッタパーチャ”という天然ゴムを原料とした材料が最も多く使用されています。 このガッタパーチャには特に効果があるわけでなく、単にスペースを埋めるものという意味合いが強いです。生体適合性もないため、根っこの中から出てしまうと体は異物と判断してしまいます。そのため、歯の根の中に穴があいてる場合や、根の先の破壊などが見られる場合はガッタパーチャでの封鎖ができず、歯を残すことができませんでした。

 しかしMTAセメントの登場によりこれまで残せなかった歯も、残せる可能性が高くなりました。

 

従来の根管充填材としては、ガッタパーチャポイントと呼ばれる熱帯の木から生産される天然ゴム(樹脂)製の物が使用されてきました。

ガッタパーチャポイントは根管充填材として150年近くの歴史がある材料であり、現在でも最も頻繁に使用されている根管充填材です。

しかし、根管内における穿孔(穴)や、根先端部の破壊等が見られるケースではガッタパーチャポイントでは治療が難しく、そこから感染して周囲の骨の吸収や歯茎の腫れ・痛みを引き起こしてしまうことから、抜歯を余儀なくされることも多々ありました。

封鎖性に優れたMTAセメントであれば前述のようなケースでも細菌の侵入を防ぐことができるので、抜歯を回避できる可能性が非常に高まります。当院でもアメリカで開発されたMTAセメントを用いることにより、これまで多くの歯を救ってまいりました。

 

以下従来の根管充填材ガッタパーチャポイントと比べたMTAセメントでの根管充填の利点

①殺菌効果が高い

多くの細菌は酸性には強いものの、アルカリ性には弱く、PH9.5で死滅すると言われています。MTAセメントの練和直後はPH10.0程度ですが、3時間後にはPH12.5と強アルカリ性を示すようになり、高い殺菌性を発揮します。

根管充填剤を使用する際には根管内を出来る限り無菌化にしますが、口の中で完全な無菌というのはほぼ不可能で、細菌がわずかに残ってしまいます。しかし、わずかに残った細菌もMTAセメントの優れた殺菌性によって死滅します。

ガッタパーチャポイントには殺菌性はありません。

 

MTAセメントは強アルカリ性の材料で、大部分の細菌を死滅させる働きを持ちます。根管治療では、徹底的な殺菌と再感染の予防が重要です。しかし、どんなに根管治療中に除菌してもほとんどの場合、完全な無菌状態にならずに、わずかに虫歯菌が残ってしまいます。

 

殺菌効果に優れるMTAセメントを使用すれば、残った細菌を死滅させられるため根管治療が上手く行き、天然の歯を残せる可能性の向上が見込めます。

 

②封鎖性に優れている

封鎖性に優れていることがガッタパーチャポイントとの大きな違いとなります。

ガッタパーチャポイントの場合、それ自体では歯質に接着することは出来ず、シーラーと呼ばれる接着剤を用いる必要がありますが、MTAセメントはそれだけで歯質接着性があるため、歯に対して機械的、化学的に接着することが出来ます。

また、MTAセメントの固まる際に1.0%ほど膨張する性質によって、より隙間なくしっかりと埋めることができます。「ガッタパーチャポイント+シーラー(接着剤)」と比較すると、MTAセメントは格段に封鎖性に優れているため、細菌の侵入を防ぐことができます。

 

MTAセメントは歯に接着する性質があるため、ガッタパーチャポイントのように接着剤を使用する必要はありません。さらに、固まると膨らむ性質があるため、根管内の隙間がなくなり、細菌が繁殖しにくくなります。

 

一般的な歯のセメントは、時間が固まると縮む性質があるため、治療から時間が経つと根管内に隙間ができ、細菌が侵入するリスクが高まります。

 

③生体親和性が高い

MTAセメントは親水性であり、根管内に多少の水分(出血、浸出液も含む)が残っていても使用が可能です。実際、根管内で完全乾燥は不可能に近いため、完全乾燥しないで使用できるというのは臨床上非常に重要なことです。「ガッタパーチャポイント+シーラー(接着剤)」での根管充填に対し教科書的には、完全な乾燥が出来なければしてはいけないことになっていますが、先に述べたように根管内の完全乾燥は不可能に近く現実的ではありません。

 

歯科治療では完全に乾燥した状態で、治療できるケースはほぼありません。根管治療も同様で、根管内に、血液・浸出液を含む成分が多少残っている状態で処置します。根管充填を行う際は、完全に乾燥しているのが理想ですが、実際には難しいとされています。

 

MTAセメントは、親水性が高く水に溶けやすいため、ある程度水分が残っていても、適切な処置ができます。

 

④親水性が高い

MTAセメントは親水性が高く、湿潤状態の口腔内でも効果的に使用できます。

ほとんどの歯科材料が「乾燥状態の歯面」でないと正常に固まらないことが多いですが、MTAの硬化反応は、無機酸化物が水や様々なイオンと化学反応して水和物を生成しながら硬化体を形成します。その為、水分の多いお口の中でもちゃんと硬化反応が進行することができます。

 

⑤封鎖性に優れている

封鎖性に優れていることがガッタパーチャポイントとの大きな違いとなります。

ガッタパーチャポイントの場合、それ自体では歯質に接着することは出来ず、シーラーと呼ばれる接着剤を用いる必要がありますが、MTAセメントはそれだけで歯質接着性があるため、歯に対して機械的、化学的に接着することが出来ます。

また、MTAセメントの固まる際に1.0%ほど膨張する性質によって、より隙間なくしっかりと埋めることができます。「ガッタパーチャポイント+シーラー(接着剤)」と比較すると、MTAセメントは格段に封鎖性に優れているため、細菌の侵入を防ぐことができます。

 

MTAセメントは歯に接着する性質があるため、ガッタパーチャポイントのように接着剤を使用する必要はありません。さらに、固まると膨らむ性質があるため、根管内の隙間がなくなり、細菌が繁殖しにくくなります。

 

一般的な歯のセメントは、時間が固まると縮む性質があるため、治療から時間が経つと根管内に隙間ができ、細菌が侵入するリスクが高まります。

 

根管治療で大切なのは、根管内の再感染の防止です。他の材料と比べて封鎖性の高いMTAセメントの使用により、根管治療の成功率は高まるでしょう。

 

MTAセメントの有効な治療法

①歯髄保存療法(覆髄法)

虫歯が進行して神経に達した場合、MTAセメントを用いた歯髄保存療法により、従来は神経を抜いていた症状でも、神経を保存できる可能性が高まります。

 

②パーフォレーションリペア

根管壁に穴が開いた状態(パーフォレーション)の場合、MTAセメントを使用して根管部の穴を塞ぐことで、内部の穴が修復され、リスクを回避できます。

 

③外科的歯内療法(歯根端切除術)

細菌感染が起こった歯根の先を切除し、MTAセメントを使用して歯根部の封鎖を行います。

 

④歯根のひびや破折の修復

MTAセメントを使用することで、歯根のひびや破折を修復し、歯を維持する可能性が高まります。

 

⑤根管治療

重度の虫歯や根管内の感染に対して、MTAセメントを用いることで、根管内の細菌を効果的に殺菌し、根管を封鎖することができます。MTAセメントは親水性が高く、根管内の湿潤環境でも効果的に硬化し、根管治療の成功率を高めることが可能です。

 

根管充填材としてのMTAセメントの歴史

1993年 アメリカ、ロマリンダ大学、Mahmoud Torabinejadが発明しました。

1998年 以降、諸外国では様々な臨床応用が認められています。

AAE(アメリカ歯内療法学会)によると、

A Cement-like material used as a root-end filling material,for perforation repair and pulp capping,and as a root-end barrier in teeth with an open apex.

(根尖に詰める、歯根内部の穿孔、歯髄覆とう(直接覆髄)、歯根未完成歯の根尖に用いられるセメントのような材料)

と説明され、先進国ではガッタパーチャポイントより、殺菌作用の高さなどメリットの多さから、根管充填剤として、MTAセメントが積極的に用いられていますが、日本は諸外国より遅れをとっており、2007年4月に「直接覆髄材料」としてのみ薬事承認されただけに留まっています。

 

まとめ

当医院では治療技術はもちろん、患者さまの心と向き合い診療していくことが大事と考えています。それは

理事長 菅 良宜

治療理念

人生を変える歯科治療を通じて患者様の人生を良くしたい

という想いからです。

 

大阪で他院で抜歯をすすめられた、抜歯の前に根管治療のエキスパートにセカンドオピニオンを受けたいなどでお困りなら

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守口市駅からなら1分の

京阪西三荘駅徒歩2分に位置しています。

カウンセリングは無料になります。お気軽にご相談ください。

 

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名門トロント大学の根管治療のプログラムを卒業 理事長 菅 良宜によるマイクロスコープを用いた精密根管治療

詳しい内容の専門サイトはこちら

https://www.suga-dent.com/endodontic/

 

症例ブログはこちら

https://www.suga-dent.com/case/endodontic/

 

執筆者

医療法人凌和会すが歯科矯正歯科

理事長 菅 良宜

治療理念

人生を変える歯科治療を通じて患者様の人生を良くしたい

すが歯科矯正歯科守口門真院の院長

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