マウスピース矯正で行われる「IPR（アイピーアール）」とは？その目的と安全性について

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マウスピース矯正で行われる「IPR（アイピーアール）」とは？その目的と安全性について

マウスピース矯正（インビザラインなど）をご検討中の患者さまの中には、「IPR（アイピーアール）」という言葉を初めて聞かれる方も多いのではないでしょうか？
今回は、マウスピース矯正においてよく行われるこの処置についてご説明いたします。

IPRとはどんな処置？

IPRは「Interproximal Reduction（隣接面削合）」の略で、歯と歯のあいだを少しだけ削ってスペースを作る処置のことを指します。
日本語では「ディスキング」や「ストリッピング」と呼ばれることもあります。

削ると聞くと「歯が傷つくのでは？」と心配になる方もいらっしゃいますが、実際には非常に微量（0.1〜0.3mm程度）のみを削るもので、エナメル質という表面の固い部分に限定して行います。

マウスピース矯正は、歯を少しずつ動かして理想の位置に並べていく治療ですが、歯が並ぶための「スペース（すき間）」が必要です。
そのスペースを確保するために大きく分けて以下の3つの方法があります

1.奥歯を後ろへ動かす

2.歯列全体を広げる

3.歯と歯のあいだを少しだけ削ってスペースを作る（＝IPR）

特に歯を抜かない非抜歯矯正の場合、限られたスペースの中で歯を並べる必要があるため、IPRが有効であるケースが多くなります。

削って大丈夫？歯への影響は？

IPRでは、削る量をきちんと設計し、必要最小限にとどめます。
エナメル質の厚みは個人差がありますが、健康な歯では約1.5〜2.0mmほど。そのうちのごく一部を削るだけなので、虫歯になりやすくなったり、歯が弱くなったりする心配はほとんどありません。

さらに、処置後には滑らかに研磨し、フッ素の塗布なども行うことで、歯の表面を保護します。

痛みや不快感はあるの？

IPRは歯の表面に軽くヤスリをかけるような処置で、麻酔が必要になることはほとんどありません。
少しの違和感を感じることはありますが、処置自体は数分で終わることが多く、多くの患者さまが「思っていたより簡単だった」とおっしゃいます。

まとめ

IPRはマウスピース矯正の中でとても重要な役割を果たしています。
「削る」というイメージだけが先行して不安に思われる方もいらっしゃいますが、計画的かつ安全に行えば、歯に悪影響を及ぼすことなく、より美しい歯並びを目指すための大切なステップです。

当院では、IPRが必要な場合には事前にしっかりとご説明し、患者さまにご納得いただいたうえで処置を進めています。ご不安な点があれば、どんなことでも遠慮なくご相談ください。

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