おいしく食べるために必要な唾液のはたらき

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最近、「お口が乾く」「飲み込みにくい」「味がしない」といった ドライマウス(口腔乾燥症) を訴える方が増えています。
コロナ禍以降の生活習慣の変化や、高齢化による筋力低下が大きく関係しています。

今回は、
◆お口が乾燥する原因
◆唾液が減ると起こるトラブル
◆おいしく食べるために必要な唾液のはたらき
◆今日からできる乾燥対策

についてわかりやすくまとめました。


■ お口が乾燥する人が増えている理由

① マスク生活による「口呼吸」の増加

コロナ禍の長期化により、「息苦しさから口で呼吸する習慣」がついてしまった方が多くいます。
口呼吸は、空気が直接お口の中に入り込むため、口腔内が乾きやすく唾液量が減少します。

② 高齢者の「口唇閉鎖不全(お口ポカン)」

高齢になると、お口周りの筋肉(口輪筋・舌筋)が弱るため、
「気づけばお口が開いている」状態になりやすく、これも乾燥を悪化させます。


■ 唾液が減るとどうなる?(ドライマウスの悪影響)

唾液には、実は 30種類以上のはたらき があり、健康に欠かせない重要な役割を持っています。

◆ 唾液が担う主な働き

  • 自浄作用(汚れを洗い流す)

  • 抗菌作用(細菌の増殖を抑える)

  • 再石灰化作用(むし歯を防ぐ)

  • 緩衝作用(酸の中和)

  • 粘膜保護

  • 消化のサポート

  • 飲み込みを助ける

これらが低下すると――

◆ 唾液量の低下で起こる症状

  • 口臭が発生しやすくなる

  • むし歯・歯周病リスクが上昇

  • 口内炎ができやすくなる

  • 舌がヒリヒリし、味が変わる(味覚障害)

  • 飲み込みづらくなる(嚥下機能の低下)

特に高齢者は、誤嚥性肺炎のリスクも高まるため注意が必要です。


■ 唾液は「おいしく食べる」ために必要不可欠

唾液は、おいしく食事をするうえで非常に重要な役割を持ちます。

◆ ① 食べ物を飲み込みやすくする

唾液が不足すると、食べ物をまとめられず、むせやすくなります。

◆ ② 消化を助ける

唾液に含まれる酵素がデンプンを分解し、胃腸の負担を減らしてくれます。

◆ ③ 味覚を正常に保つ

味を感じる「味蕾」のはたらきは、
食べ物の成分が唾液に溶けてはじめて味として認識されます。

唾液が減ると、

  • 味が薄く感じる

  • 食べ物が美味しくない

  • 何を食べても同じ味

という“味覚低下”が起こりやすくなります。


■ 今日からできる!唾液を増やす4つの方法

① よく噛んで食べる

噛む刺激は「唾液腺」を活性化します。

  • れんこん

  • ごぼう

  • きのこ

  • するめ

  • ナッツ類

  • ガム

など噛み応えのある食材がおすすめです。


② 口呼吸から鼻呼吸へ切り替える

口呼吸は乾燥を進行させる最大原因です。

  • 姿勢を整える

  • 就寝時は加湿器を使う

  • 意識して閉口を保つ

など習慣づけが大切です。


③ 唾液腺マッサージをする

唾液腺は3つあります。

  • 耳下腺:耳の付け根

  • 顎下腺:あごのラインの内側

  • 舌下腺:あごの先の柔らかい部分

やさしく指で押して円を描くようにマッサージすると、唾液分泌が促されます。


④ お口周りの筋肉を鍛える(あいうべ体操)

口唇閉鎖不全の改善、鼻呼吸への切り替えに効果的。

  • 「あー」

  • 「いー」

  • 「うー」

  • 「べー」(舌をしっかり出す)

ゆっくり大きく動かし、1日30回を目安に継続しましょう。


■ まとめ:唾液を保つことが“食べる楽しさ”につながる

お口の乾燥は、むし歯・歯周病・口臭だけでなく、
味覚低下や食べにくさにも直結する重要な健康問題です。

「最近お口が乾く」「食べ物が飲み込みにくい」
そんな症状がある場合は、今回の対策をぜひ取り入れてみてください。

乾燥が続くようであれば、早めに歯科医院へご相談ください。

医療法人凌和会 すが歯科・矯正歯科

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