奥歯の平均寿命は・・・

知っていますか?奥歯の平均寿命は約50年

 

日本の平均寿命が男女とも80歳を超えていることは、ニュースなどを通してご存じの方も多いでしょう。一方で歯の寿命はそれよりも短く、奥歯に至っては体の寿命と10~20年もの差があることは知られていません。
この数字の通りに考えると、私たちは少なくとも10年以上は奥歯のない生活を送ることになります。では、それがどんな生活なのか?シミュレーションも交えながら『奥歯の大切さ』についてお話したいと思います。

 

 

・奥歯の寿命は前歯より10年も短い


この図は平成11年に厚生労働省がおこなった歯科疾患実態調査のデータを元に、各歯の平均寿命を示したものです。
一般的に、『奥歯』と呼ばれる大臼歯(だいきゅうし)は、上下左右に2本ずつ(親知らずを入れると3本)あり、手前から『第一』『第二』という数字をつけて区別します。
図を見ると大臼歯の平均寿命はおよそ50~58年。さらに前歯部と比較すると、奥歯は前歯より10年以上寿命が短いことがわかります。
では、これを人の年齢に当てはめてみましょう。図に示す歯の平均寿命は第一臼歯が5歳、第二臼歯が10歳に生えたものとして算出されています。つまり人の年齢でいうと、どの大臼歯も早い方で60歳前後ごろにその寿命は男性で77歳、女性で84歳ですから、体の寿命と比べても奥歯の平均寿命は10~20年早いことがわかります。

・なぜ他の歯と比べて奥歯の寿命は短いのか?

奥歯に限らず、歯を失う原因で最も多いのは『むし歯』と『歯周病』です。これらの歯科二大疾患は歯を失う原因のおよそ7割を占めており、さらに歯周病は50代以上で歯を失う原因の半数を占めています。そして『むし歯』や『歯周病』は奥にある歯ほどリスクが圧倒的に高くなります。
その理由はいくつか考えられますが、一つは歯の形態の違いです。平らな面の多い前歯に比べると、奥歯の形は複雑で、さらに咬む面には深い溝が刻まれています。この溝はプラークや食べかすが溜まりやすく、むし歯の好発部位(できやすい部位)に挙げられます。
また、お口の中は奥にいくほどスペースが狭くなるため歯ブラシが入りにくく、前歯よりも磨き残しが多くなります。下の奥歯は『舌』によってさらに磨きにくくなることが、他の奥歯より平均寿命が短い要因の一つと考えられています。
加えて、前歯と奥歯で大きく異なるのが、咬む時にかかる力です。私たちが普段食べ物を咬んだり、すりつぶしたりする際、奥歯には前歯の4~5倍の力がかかります。これは自分の体重か、それ以上の荷重に匹敵する力です。そこへ、『むし歯』や『歯周病』によるダメージがさらに加わってしまえば、いくら頑丈な奥歯でもその負担に耐え切れられなくなってしまうのは容易に想像できるでしょう。

・奥歯がなくなると、私たちの生活はどう変わる?

では、実際に奥歯がなくなると私たちの生活はどのような変化がもたらされるのか、奥歯をすべて失うまでの過程にそってお話していきましょう。

①奥歯を1本失うまで

奥歯を失う序章は、小さなむし歯から始まります。一度はきちんと治したむし歯も、その後もケアが不十分なままだと再びむし歯になり、その度に削る量も多くなります。
そして、十分なケアのないまま削られ続けた歯は、やがてその寿命を迎えてしまいます。

・生活に大きな変化はないもの・・・
歯を一本失ったケースでは、これまでより多少の咬みにくさは感じても、普段の生活に大きな変化は起こりません。しかし、すでにこの段階から、次に続く『負の連鎖』 が始まっています。
「たかが1本」と思われがちですが、その奥歯がこれまでに担ってきた負担は残っている他の歯に依存していかなければなりません。仮にブリッジを入れた場合、ただでさえ歯が削られる上、さらにその歯には失った歯の代わりに咬む力やブリッジの維持力といった負担が新たに加わるわけです。またブリッジを入れることとこれまでよりもさらに汚れやプラークが付着しやすくなり、虫歯や歯周病のリスクも増大していきます。

②片方の奥歯を失う

さらにケアが不十分なまま時が過ぎると、残りの奥歯も1本目の奥歯と同様の経過をたどり、その寿命を迎えてしまいます。2本以上の奥歯を失うとブリッジもできなくなり、次はインプラントが治療の選択肢に挙がるようになります。

・会話や食事、さらに顔貌にも変化が・・・
片方の奥歯を全て失うと、当然ながら普段の生活にも支障がでてきます。仮に入れ歯を入れたとしても、咬む力は自分の歯の1/8から1/10にまで低下するため、これまでと同じように食事を楽しむのは難しくなるでしょう。また、入れ歯の違和感によって会話もしづらくなるかもしれません。
さらに歯を失った側の筋力が衰え始め、片側だけ「頰がたるむ」「ほうれい線が目立つ」というように顔貌にも変化があらわれてきます。

③両側の奥歯を失う

片側の奥歯を失うと、おのずと反対側の自分の歯で咬むことが多くなります。しかし、先にも述べたように1本の奥歯は自分の体重、もしくはそれ以上の荷重がかかるわけですから、それらの負担を全て片側だけの歯が背負うのは大変です。許容を超える力が加わり続けた結果、残っている奥歯もやがてその負担に耐え切れられなくなり、寿命が短くなっていきます。

・「食べられない」「会話が上手くできない」「体に力が入らない」
奥歯が全てなくなると、食べられるものが限られ、それが健康状態にも悪い影響を及ぼすようになります。発音にも支障をきたすようになり、人とのコミュニケーションも円滑さを失ってしまいます。また、奥歯で咬めないことで体に力が入りにくくなったり、頭部の位置が不安定になって転びやすくなったりすることもあります。顔貌も両頬がたるみ、いわゆる『老け顔』になってしまいます。

 

「寿命だから」と諦めずに、奥歯のケアはしっかりと

上記に述べた流れはあくまで『最悪なケース』を想定してのお話であり、あなたが同じ経過をたどるわけではありません。たとえ奥歯を1本失った後でも、その後のケアをしっかり行っていけば、体の寿命と同じ長さに奥歯を伸ばすことができます。
奥歯は、お口の中でも磨き残しが多く、むし歯や歯周病のリスクが高くなる部位です。毎日のホームケアはもちろんのこと、歯科医院での定期的なチェックやクリーニングでしっかりとメンテナンスを行う必要があります。

 

 

 

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